2007年4月4日 タミフル騒動について

タミフルの服用による異常行動が問題となりました。
この副作用は、真剣に医療を考える医師や薬剤師を中心とした非営利のNGO団体である、「医薬品・治療研究会」では平成17年の2月の時点で指摘されていました。しかし、いつもの事ながら指導機関は、多数の被害が出た後の2年後の平成19年の3月末になってやっと現実的対応をとり始めます。
なぜ、このように対応がいつも後手に回るのでしょうか?
これについては、知り合いの薬剤師によると、以下の書物をお読みになられると理由が見えてくるそうです。

「薬害はなぜなくならないか」  浜六郎著  日本評論社

「怖くて飲めない! 薬を売るために病気はつくられる」
   レイ・モイニハン、アラン・カッセルズ共著 吉川奈々子訳 ヴィレッジブックス

営利団体が薬を開発する必要がある限り、この問題の解決は難しいと思います。
では、私達はどのようにすれば良いのでしょうか。
最も簡単で効果的なのが、冒頭に触れたNGO団体に協力する事でしょう。医薬品の関係なら、上記の「医薬品・治療研究会」や「医薬ビジランスセンター」などに協力する事が大切だと思います。日本では、これらの組織に協力する人々が、少なすぎると思います。(諸外国では、このような団体の協力者は数十倍多く、日本人の危機管理、危機意識の低さ、和を重んじる性格をよく示しているといえます。)
日本人の和を重んじる性格も良い面もあれば悪い面もあります。問題はバランスであり、タミフルの問題や他の薬害の問題は、このバランスの崩れがある事の証明であり、私たちは、ある程度意識を変える必要があるのではないかと思います。
ところで、営利団体がつくらない薬があるのでしょうか。
漢方は、製造は営利団体でも、処方を開発したのは漢方医や薬剤師の先人達です。当然そこには、妙な歪みが生じることはありません。(生じているとすれば、使う側、売る側の問題です。)
漢方がどれほど効果があるかは、SARS(サーズ:重症急性呼吸器症候群)で漢方を最初から使用した患者には一人の死者も出なかったという事実もあります。実際、通常のインフルエンザでも、うまく使えば、タミフルよりはるかに効くことがわかっています。(一部、医療者向け情報に、適応もある麻黄湯が良いと言う情報があるようですが、使い方を間違えると・・・・。適応は関係ありません。注意して下さい。)
ただ、漢方は使い手の使い方により、たいへん効き目に差がでる薬である事と、病気の進行過程で、どんどん薬を変えていかなくてはならないため(××病気に、○○の漢方が効くと言うのは本当はありません。)エビデンス(根拠=科学的根拠)を証明するのが非常に困難なのです。
本来、通常のインフルエンザは、風邪の延長上にある病気なので(脳炎については、「熱さまし(解熱鎮痛薬)」も絡んでいますので「医薬品・治療研究会」や「医薬ビジランスセンター」の書物をご参考下さい。)ゆっくり休養して、症状の緩和に漢方を使う事が、現在では最も良い方法だと思います。

 

医薬品による重篤な皮膚障害、2年間に905件発生(うち死亡95件)
                    2005年10月31日 メディウエーブ

厚生労働省が10月27日にまとめた医薬品・医療用具等安全性情報によると、医薬品による重篤な皮膚障害が2年間で905件発生していることが分かった。このうち一般用医薬品が原因と考えられる報告は61件に上がっており、医療用医薬品同様に注意が必要になっている。
医薬品による皮膚障害については、重篤なものとして、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS:Stevens-Johonson syndrome)、中毒性表皮壊死症(TEN:toxic epidermal necrolysis)がある。今回まとまったのは、2003年10月27日から2005年9月30日までのSJSまたはTENの副作用報告例。
副作用報告905件の転帰をみると、回復または軽快が535件(59.1%)、未回復が56件(6.2%)、後遺症ありが36件(4.0%)、死亡が95件(10.5%)、転帰不明などが183件(20.2%)だった。
今回の報告をもとに厚生労働省は、「医薬品投与後に高熱を伴う発疹などを認めたときは、被疑薬の投与を中止し、SJSやTENの発症を疑った場合には速やかに皮膚科の専門医へ紹介することが重要」と強調している。
報告の多い推定原因医薬品(薬効別分類)
 薬効分類名        件数
1・抗生物質製剤      160件
2・解熱鎮痛剤       135件
3・抗てんかん剤       86件
4・総合感冒薬        57件
5・合成抗菌剤        40件
6・痛風治療薬        37件
7・消化性潰瘍薬       34件
 うち一般用医薬費品
1.総合感冒薬        36件
2.解熱鎮痛剤(痛み止め)  15件
3.鼻炎薬            2件
4.漢方製剤           2件
              20005年10月31日 メディウェーブより抜粋

コメント
「高熱を伴う発疹」とありますが、知り合いの薬局であった事例では目の違和感と充血ぐらいしか初期症状がなかったものもあります。薬は基本的には毒物です。解熱鎮痛剤や風邪薬は本来飲まなくてもよいものなので、滋養強壮剤や冷えを取るもの、血液の流れを良くするもので症状の原因を改善したほうがよいかと思います。